仮面ライダー剣 第42話

睦月回復おめでとうの回。

この回も、お話がすっきりまとまっているように思える点がよかったです。「睦月回復」という結末に向けて、いろいろな流れが収束していく。素晴らしいのは、「犬死に」と思われていた嶋さんを、伏線としてちゃんといかしてきた点ですね。嶋さんの力を睦月が使うためには、虎の女アンデットの力が必要だった。なぜ虎のアンデットが睦月に力を貸すのか、という点はちょっと弱いようにも思いましたが。

この回のおかげで、「混迷」かと思えた睦月の描き方が、どうやら当初からスタッフの意図していたものだったようだ、という実感を得ることができました。まあ本当のところスタッフの意図がどうだったのかなんて謎だと思いますが。ただ、どうやら、睦月は最初から「不安定」な存在として描くつもりだったんだな、という気はしましたね。

睦月の扱いをめぐっては私もかなり不満を覚えていたところだったので……ちゃんと考えていたんだよ、というのがわかって少しすっきりしました。しかし、回復まで時間かかりすぎ! いったい何話かけてるんですか。もう番組終わっちゃいますよ。正直疲れたという思いもあります。

しかしまあ、カテゴリーAの支配を見事断ち切る睦月の勇姿にはちょっとひかれるものがあったのも事実。なぜか「納得」できる展開なんですよね。納得というのは、「まあ、とにかく、これは確かに、解放されたということだな」と実感できたという意味、かな。なぜか感動的なんですよね。なぜか。

回復といっても、カテゴリーAの支配からは逃れられたというだけで、睦月自体はまだちょっと不安定な感じなんですが……。ただ、その、「この回で描かれている睦月の『回復』とは『カテゴリーAの支配からの解放』のことなんだ!」とはっきり認識できるのが、何というか、わかりやすくて、その点もいいですよね。

とにかく、不思議な回ですね。後世に残る名エピソードになるかどうかは不明ですが……。仮面ライダー剣という作品の中でひとつの節目となる回だとは思いますね。