負け犬の遠吠え

負け犬の遠吠え

負け犬の遠吠え

キターーーーーーーーー(゜∀゜)!!

この本、前から読みたかったんです。

あちこちで話題になっているようだし、タイトルが衝撃的だったし……。

ついに読んだ、という感じです。

私がこの本のことを知ったのは、ネットの中ででした。

「私はいま流行りの負け犬です」

なんていう人がいて、

「いま流行り? そんなの流行ってるのか!?」

一瞬あせってしまったものです。

普段テレビや雑誌などとは無縁の生活を送っているからでしょうか。

こと、流行に関して私は疎い。

いつもなら、その本が流行っているというだけでは興味を示さないのですが。

この本は違いました。

何か、気になる。

「負け犬」という言葉が発する、強烈なオーラ。

「負け犬」の定義というのがまた、社会問題的なものを思わせます。

ウケ狙いのダメな本ではないはずだ、という予感がありました。

本屋さんで探してみたけど、どこにあるかわからなかったこの本。

職場の先輩が貸してくれたので、やっと読めたんです。

感想は……やっぱり面白いですね。

文章は、豊かな発想に満ちている。

的確な、ユーモアに富んだ表現の数々……。

鋭い指摘や、深い人間描写にはうならされます。

「負け犬」「勝ち犬」「オタ夫」「ジョヒ夫」など、いろんな言葉をつくるのも面白い。

30歳以上の全ての女性を「負け犬」「勝ち犬」にわけるのは、ちょっと乱暴かもしれません。

ですが、その「乱暴」なことをやったうえで、どこまでも語っていく。

最初の「分類」には無理があるのかもしれないけど、その後はわりと客観的です。

客観的に、「負け犬」「勝ち犬」のことが描かれていく。

特に、「負け犬」としての自分をすごく客観的に分析している。

もちろん、どこまでも客観的かというと、そうともいえないけれども。

作者の語り続ける力、言葉をつむぐ文章力が、最初の分類に説得力を持たせてしまう。

ただ、素直な読後感をいえば、後半はちょっとダレました。

前半は、すごく面白かったんだけど。

だんだん、「負け犬」だという著者が、ちょっとグチってるような感じになってきた。

具体的には、「コラム オスの負け犬」までが本当に面白いところでした。

後は、ちょっとダラダラ、グチってる感じかな?

まあそれをいえば、この本全体が巨大なグチなのかもしれないけど。

けど、前半の、語りの面白さ、描写の面白さは素晴らしいですね。

客観性があるから。

ああ、こういう人いるいる、という感じ。

うん、そうだよね、まさにそういう感じだ、と同感したくなる。

著者の主張に共感するかどうかはともかく、この本の面白さは認めたい。

もちろん、私個人のことが気になったりもしました。

私はいま29歳だけど、あともうちょっとで「オスの負け犬」になっちゃうかな、と。

私は「オタ夫」「ダレ夫」「ジョヒ夫」「ブス夫」「ダメ夫」のどれなんだろうとか。

この本の特徴は、読んでいる人個人の状況をグサッとえぐるような点にありますね。

負け犬だろうと、勝ち犬だろうと。

こういう本は、少ないと思いますよ。

みんながみてみぬフリをしていた問題を、ズバリ指摘してくれる。

しかもこの本でいっていることは、確かに少子化の問題とも関係してくる。

社会全体の問題として、真面目に読むことも可能でしょう。

著者についても、「負け犬」としての自分を本当はどう思ってるのか? と。

この本を通して本当は何をいいたいのか? と、いろいろ勘ぐりたくなる。

やっぱり、面白いですね。

思考の材料をいろいろ提供してくれます。

ですが、この本で「負け犬」とされた人たちには、怒る人もたくさんいるでしょう。

その意味で、「ひどい」ことをいってる本だ、ともいえる。

ネットをみていると、この本を読んで自分の将来が不安になった、という人もいます。

ですが、そういう人は、ちょっと素直すぎるというか。

普通は怒るんじゃないかという気がする。

まあ私も素直なクチなんですけど(笑)。

ただ、怒ってしまった人も、どこか認めてしまう主張がこの本にはあるのでは?

まあ、最後まで読み進めていくと、「おわりに」にも書いてあるように、

「もう勝つか負けるかなんてどうでもいいよ」

という気持ちになりましたけどね、私も。

後半ダレるところは、確かにありますね。ネタ切れというか。

それでも、いつまでも心の中に残る本にはなりそうですね。とにかく気になる。

まだ読んでない人には、すすめてみたいですね。ちょっと怖いけど(笑)。