中国の歴史 下

中国の歴史 下 (岩波新書 青版 744)

中国の歴史 下 (岩波新書 青版 744)

この本は、本当にかなり昔に買っておきながら読んでいなかった本。

上中下とわかれているのですが、下巻しか買ってません。理由としては、

  • たまたまその書店には下巻しか置いてなかった。
  • 自分の知識として、中国史の中で特に明・清の時代が弱いように思った。

以上のようなことがあげられるでしょう。

この本、初版が出たのはまだ中国で文化大革命が盛んで、まだ日中平和友好条約は結ばれていなかったころです。そのせいか、全体の雰囲気がちょっと古めかしい感じで、活字も最近の新書に比べると細かい感じです。

しかし、内容は非常に豊かで、詳細であり、あちこちに挿入されているコラムがなかなか面白かったりします。

時代的には、明・清と、中華民国まで扱い、中華人民共和国成立の時点までで筆をおいています。

この本の主張として特に印象に残ったのは、中国への21か条の要求は結果として日中戦争の勃発にまでつながるもので、外交としては失策中の失策だった、という点ですね。相手国の人民から激しい反発をくらうようなことはめったにやるものでない、ということらしいです。

下関条約締結の際に睦奥宗光が苦悩したという話も興味深かったし、袁世凱が大変な策士だったということもこの本を通してよく知ることができました。

屈辱の百年とはいうけど、日本や欧米の植民地になりかけながら中国は大変努力して立ち直ったんだな、ということがよくわかります。やはり中国は偉大です。いろいろな人材が最終崩壊を防ごうと活躍していたのですね。

さあ、後は現代中国史を学ばなければ……。