機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第35話

このアニメは果たして「面白い」のかどうかと常に疑問を抱えているのですが、どうなんでしょう。本当につまらないなら観ないだろうと思うのですが、ただガンダムというだけで観ているような気もするし、微妙です。全く面白くないわけではないと思っています。事実、面白かった回もあったし。しかし、全体として何かいびつで、ある意味不思議ですね。独創性のようなものは一応感じます。こういうアニメ、ほかにないし。製作者の意向が非常に気になるアニメでもありますね、いったいこれをとおして何をいいたいのだろうと。不思議です、このアニメは。

と、辛口っぽいことを書いたかもしれませんが、別に敵意を抱いているわけではないです。敵意を抱くべきなのかどうかもわからない、全体としてよくわからない感じ。

キラはやはり生きていましたが、議長はキラを本当に死んだと思っているのでしょうか? だとしたら、ちょっと議長のレベルが下がりそうです。主人公が死んだと決めつけて一時的に喜ぶ敵のボス、っていうのはアニメや特撮でよくある展開ですよね。私としては、議長はキラを本当に死んだとは感じていないけれども、実はキラが生きていようと死んでいようとどうでもいいのだ、という悟った境地でいてくれることを期待しています。

憤るアスランに「そういうのは困る」と正論を吐くレイ。「誰が味方で誰が敵なのかというのは、状況によって変わる相対的なものです」そんな悟った言葉がいきなりこのアニメに出てきたのでびっくりしました。レイのキャラクターがやっとみえてきたようにも思います。レイは、絶対的な正義、絶対的な大義などというものは信じていないのでしょう。ただ、己の欲することをなしていく。ザフトの兵士として闘っているのも、「ギルのためになるなら」という個人的な理由からなのでしょう。しかし、相対的という言葉は、アニメをみている子供にはわかり辛いのではないか、と、ちょっと心配になりました。

自分をかばってくれるレイのいうことに、ちょっと「あれ?」という顔になるシン。別にキラを絶対的な悪と決めつけているわけではない、というニュアンスが伝わり、自分の感情との間に違和感を感じたのでしょう。私としては、「俺って単純すぎるのかなあ」とシンが自分の欠陥に何となく気づき、そのせいでちょっと動揺した、という風に解釈したいところだったりします。というか、シンには今後「自己反省」を徹底して欲しい気がします。