機動戦士ZガンダムIII-星の鼓動は愛-

お気に入り度:★★★★☆
ネタバレありです。



このごろ残業が多くて、少し疲れている状態でみたせいか、映画が最後に近づけば近づくほど自分が感覚的にヤバい状態になっていきました。ニュータイプ同士の感応や、死んでいった人の意識が出てくる場面って、私の感覚にかなり強い影響を与えるんです。

もともとZガンダムという作品自体私の中では危険なものでしたが、今回の映画をみて危険性を再確認させられました。私にとってZは危険な作品ですね。面白い・面白くないを越えて、驚くほど危険な、霊感に満ちた作品。

誰もが気になっていたカミーユのラストについては、あれはあれでよかったと思います。ですが、テレビ版のラストの方が「確かにこうなるだろうな」という説得力を私は感じたものです。もちろんテレビ版のラストこそ、私の中で一番「危険」なシーンであったわけですが。

映画館を出た後、しばらくクラクラッとなってしまいました。すぐには現実世界に戻れない感じでしたね。ラストが明るい感じだったのはよかったけど、ラストまでの過程は十分私の感性に危険な影響を与えてくれました。本当はまたどこかへ遊びに行きたかったけど、あまりの衝撃の強さにしばらく一人でいたくなり、すぐに家に帰って、ベッドの中でガックリしたものです。

MSの戦闘シーンはとにかく素晴らしい。ストーリーはやっぱりゴチャゴチャして難解でした。ラストバトルでなぜカミーユがあそこまで強くなっていくのか、不思議な気もしました。カミーユって、ハマーンシロッコとシャアの3者の闘いの中に「わりこんできた」存在にしかみえないんですよね。3部作全体を通じて、カミーユの描写が薄かったのは残念です。

で、今回もシャアの動向が一番気になりました。シャアは次に何をするのか? 何をいうのか? と、常にシャアを追っている感じでした。私としては、最後シャアが実は生きてるんだという描写が欲しかったですね。ラスト近くになって急にカミーユに焦点当てられても戸惑うよなー。

3部作全てをみて、この第3作が自分の中では一番印象に残りました。その次に面白かったのが第1作。アムロとシャアを中心としたバトルものとして完成度が高かったです。第2作は自分としてはいまいちでしたが、サングラスをかけたままレコアにキスするシャアがストイックで、そこがかなり印象に残りました。