図解雑学 禅

禅 (図解雑学)

禅 (図解雑学)


書店でよくみかける「図解雑学」シリーズ。最近禅に関する本を読んでいないので、おおまかな知識を思い出すために買いました。横書きだし(笑)、マンガチックなイラストが多いし、かなり初心者向けの、軽い内容だろうと思ったら大間違いでした。

中国の禅宗、日本の禅宗について少ない誌面の中でもできる限り詳細に説明されていて、「日本史の教科書に書かれている日本禅宗の歴史には、二つの誤解を招く可能性がある。一つは、平安時代以前の歴史と、禅宗とは関わりがないという誤解である。(略)もう一つの誤解は、鎌倉時代には禅宗や浄土宗など、いわゆる鎌倉新仏教と呼ばれる諸宗派が盛んとなり、天台宗真言宗が、あたかも衰退したかのように見られることである」という鋭い指摘もあったりして、簡潔さの中にハードさを盛り込み、マンガ的かと思いきやかなりアカミデックな説明を試みようという著者の意気込みがみえます。

実際、禅についてある程度知っている私でもはじめて聞く知識、はじめて聞く見解が多く、大変参考になりました。禅問答の不思議さ、面白さもこの本を読めばよくわかることでしょう。

意外にハードな内容なので全部読むのは結構大変なのですが、読み終わったときにはかなりの知識が身についてると思います。