ウルトラマンネクサス 第4話

いろいろいわれている4話完結方式ですが、私はそれほど気にならなかったです。確かに最初の怪獣がやられるまで4話かかっているけれど、長ったらしいとは感じませんでした。むしろ、1話1話緊張感を持ってみられた感じです。

なぜなのか? と理由を考えてみる……。

あの怪獣(ペドレオン)の特徴。

  • ナメクジと女性器をあわせたような形状
  • 触手で獲物をからめとる
  • 何匹も存在する
  • 集合して巨大化できる
  • 体内に可燃性ガスが満ちている
  • 実は飛べる(変形して飛行)
  • 学習機能により次々に進化する(人質をとる、キルポイントに誘い出す、など)
  • 体内のガスを利用して、火球を吐き出すことができる
  • 上記火球には相手を追尾する機能がある

などなど、実に多くの特徴を有しており、考え抜かれてデザインされた怪獣だということがわかります。

これだけ多くの特徴を有した怪獣をきちんと描くには、30分にも満たない1話では不十分です。そうかといって、2話でも不十分です。特に、「学習により進化する」という特徴が十分伝わるように描くには、もっと長い話数を費すことが必要です。

つまり、今回の4話完結は、ウルトラマンではなく、あの「怪獣」を描くためのものだったと思うのです。ちょうど4話ぐらいの幅で印象的に描ける怪獣だと思います。回を追うごとに怪獣のあらたな特徴が明らかになっていくので、みていて飽きないんですね。逆にウルトラマンの活躍に主に注目するなら、4話目でやっと1体倒すなんて、と長ったらしく感じてしまう。

というわけで、4話完結方式(本当に最後までそれでいくのかどうかは不明)は、私にいわせればそれほど問題ではないのです。怪獣に注目していくならそれほど長くは感じない、むしろ必要十分な話数を費している。「ウルトラマン」という作品はもともと、ヒーローと同時に怪獣の存在感も大きかったと思うのです。

昔のウルトラマンは1話完結で個性豊かな怪獣を描けていただろう、という人もいると思いますが、「ウルトラマンネクサス」の最初の怪獣ペドレオンは、昔のウルトラマンに出てきた怪獣に比べると特徴が多いように思うんです。その中の、特に「学習して進化する」という特徴が、繰り返しになりますが、描写に時間がかかると思うんですよね。

ただ、ペドレオンという怪獣は、昔のウルトラマンに出てきた怪獣たち(バルタン星人、レッドキングテレスドンゴモラなど……)ほどのインパクトはないように感じています。目を引く特徴は多いんだけど、そのせいでシンプルさに欠けるし、どこかありがちな感じもして……。

それでも、平成ライダーシリーズにおいて「怪人」(幹部クラスは別)の存在感が非常に薄いと感じている私からみると、今回のウルトラマンにおいて、闘う相手である「怪獣」の描写に力を入れ、「怪獣」の存在感を高めていることは近年の特撮ものにない長所だと思っています。仮面ライダーだけでなく戦隊シリーズもいまいちなんですよね、毎回倒される相手の存在感が。

というわけで、ウルトラマンネクサスは私にとっていまのところ傑作。90点を越える面白さです。これも以前の繰り返しになりますが、この調子で最後までいけるなら素晴らしいんだけど……。