ウルトラマンネクサス 第14話

誰かにわかってもらおうなどと思ってない。俺はただ、俺が得た光の意味を探し続けてるだけだ

なぜ闘う? と溝呂木に問われた姫矢の答え。私の中でネクサスを代表する名セリフ決定です。

いろいろ意見のある方も多いと思いますが、敵に闘うことの意義を問われ、ためらいなくバシッと答えられる青年は間違いなくヒーローです。たとえその答えがスタンダードな「正義の味方」がいうであろうことから離れた内容なのだとしても……。

「誰も理解してくれないぞ」という言葉に、「誰かにわかってもらおうなどと思ってない!」と答えられ、なぜか溝呂木は戸惑っているようにも思えました。実は、「誰にも理解されなくて苦しい」思いをしていたのは溝呂木だったのかもしれません。別に俺は誰かにわかってもらわなくても構わないんだよ、胸を張って答える姫矢。いわくありげなダークヒーロー溝呂木にとってはまさに驚愕の答えだったのでは?

姫矢のこれまでの行動を振り返れば、あくまでも一人でこっそり活躍しようとしていて、誰かに探りを入れられると嫌そうな顔をする。まさに、誰かにわかってもらうための闘いではなかったのです。

そして、「光の意味を探し続けてるだけだ」との言葉。これ、勢いでいってるだけとか、かっこつけてるだけで中身のない言葉だという人もいるでしょう。しかし、私は現在の自分の状況、自分の闘いというものを「光の意味を探している」という風に見事に要約して表現する力量に何だか感動させられるのです。そして、ネクサスという番組、姫矢という人物をみてきた感じでは、「光の意味を探している」とは非常に正確な表現なのではないかと思います。まさにそういう状態であったという。

自分が言葉フェチなせいもあるでしょうが、近年の闘うことの意義だとかに悩める青年ヒーローたちとは一線を画した姫矢の言動にはただ感動することしきりです。もっとも姫矢は決してサッパリした感じのヒーローではなく、堂々としながらも鬱屈とした気配を漂わせているのですが、その点がまた奥の深いものを感じさせます。

私の中で、ネクサスはもはや姫矢をみる番組と化していますね。