彼女はなぜ結婚できたのか?
彼女はなぜ結婚できたのか 出会いの秘密がわかる結婚マーケティング
- 作者: 雨村幸親
- 出版社/メーカー: 芸文社
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 単行本
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女性向けの本ですが、アマゾンのレビューで好評価が多かったので購入。
でも、読んでみると期待していたほどのものではなかったです。これまで私が読んできた恋愛の本、結婚の本と同じようなことが書いてありましたね。もちろん全部が全部聞いたことのある内容ではなかったし、この本ではじめて知ったやり方も若干ありましたけど。
マーケティングの理論を恋愛や結婚に応用する、というコンセプトを聞いたとき、「ちょっと乾いた内容になるかな」と思ったのですが、案の定、ちょっと乾いた感じがしましたね。心理学の理論を恋愛に応用した本を読んだときも乾いた感じがしたものです。乾いた感じ、つまり、自分の利益のために手段を選ばないようなところが、個人的にはちょっと抵抗がありますね。自分を「商品」と考える時点でもう乾いてますよ。
著者も「乾いた考え方」であることはわかっているのか、以下のような文がありました。
なんだかずいぶんドライな話なように聞こえるかもしれません。「アプローチして、コンタクトして、勝負して駄目ならあきらめる」なんて、なんだかパターン化していやだなあと感じる人もいるとは思います。しかし、「片思いが辛い」のもほかならぬ「ツァイガルニック効果」のせいなのです。
「アプローチして、コンタクトして、勝負して駄目ならあきらめる」って、そういうことを真っ向から説かれると確かにドライな感じしますよね。乾いているわけですよ。この著者は、その乾いた考え方を女性に説いてるのがすごい。
(ちなみに引用文の「ツァイガルニック効果」というのは心理学の用語で「不完全な状態を嫌い、解決を求める」状態のことらしいです。片思いの相手をあきらめられない状態においては、ツァイガルニック効果が働いて「早く結論を出したい」という気持ちがわくのですが、それでもあきらめないでいると辛くなるというわけですね)
ただ、面白かった部分もあります。たとえば、マーケティングにおけるパレードの法則(「80%の大切なことは20%の要因で決まる」)を結婚に適用して、「あなたの考えた条件のうち20%が満たされる相手と結婚するなら、80%の満足を得ることができる」と説くところ。これは面白い。「一部の要素がほとんどの出来事を決める」というわけですね。
また、最後の方で女性からプロポーズすることを勧めるのも面白かった。でも、同じく最後の方で「結婚式は派手にやった方が離婚防止になる」と、また乾いたことをいってるのが気になりましたけどね。
あと気になったのは、この本、誤字脱字が多いんですよね。ちゃんと校正やったのかな? 著者自身の独特の言い回しも気になります。「少なくても」という言い方が多いんですよね。そこは「少なくても」じゃなくて「少なくとも」だろうが、と読んでいて何度も突っ込みたくなりました。
いろいろ書きましたが、概して内容はわかりやすく、レイアウトもみやすいので、一般にはそんなに悪い本ではないでしょう。全体として「乾いた」感じと同時に「ゆるい」感じがするのですが、後者の「ゆるい」感じが一般の女性読者にはちょうどいいのかもしれません。