轟轟戦隊ボウケンジャー 第2話

今年の戦隊はなにげにタイムレンジャー以来の「シリアス志向」なんでしょうか? シリアス志向という言い方だと謎だけど、「モロ子供向け路線」と「子供向けらしからぬハードさを持った路線」があるとすれば、後者なのかと。もちろん基本は子供向けですけど、極端に子供向けな感じでもないというか。あるいは「幼児向け路線」「小学校高学年向け路線」といいかえてもいいかな。ここ数年の戦隊はずっと「モロ子供向け」(幼児向け)だったんですよね。ガオレンジャーハリケンジャーアバレンジャーデカレンジャー、そしてマジレンジャー。異論もあると思いますが、どこまでも幼児向け、保育園児から幼稚園児向けで、小学1年生からもうみなくなる可能性があるぞという。そのわりには大人のファンも多い(笑)のが日本の「特撮ヒーロー」ものの不思議さですが。

で、そういうモロ子供向け路線の戦隊ものって、私にはちょっと辛かった(笑)ので、ハリケンジャーを何とか観終わって、アバレンジャー以降はまともに観ていなかったわけです。私からみて最後の「シリアス志向戦隊」タイムレンジャーはとてもよかった。ハードなSFを思わせるストーリー、毎回テンションが高く、お話的な完成度も高かった。そして何より子供向けで普通やらない「大人の世界」もかなり出していた。

今回のボウケンジャー、外観はあくまで「モロ子供向け」を装いながら、実は「シリアス志向」でした、という変則的なものなのかなと。ここ数年の戦隊とは毛色が違うように思います。レッドのキャラクターはハードで、ちゃんとリーダーをやってるし、第1話でいきなりブラックが裏切り、そしてこの第2話ではイエローが「仲間として適格か」と疑われる。敵対組織が複数存在する点はとても斬新で、パターンを打ち破ろうとしていますね。この第2話でも、ロボがいきなり前半活躍して相手のロボを破壊してから、後半はレッドと敵対組織ボスとのハードな一騎打ちで締められる。明らかにパターンを崩しています。レッド以外の5人それぞれのキャラがちゃんとたっていて、互いの絡み合いが緊張感のあるドラマをやってくれそうな感じ。

外観は「モロ子供向け」で中身は「シリアス志向」(ハード志向)というのが、個人的には、タイムレンジャーというよりむしろ、かなり前の「五星戦隊ダイレンジャー」を思わせるノリです。ダイレンジャーも面白かったんだよなー。最終回近くの「けっ、司令がいなくなったらレッドがいきなり仕切り始めたぜ」「○○! じゃあてめえがやれ!(マジギレ)」というハードな(笑)やりとりなど、いまでも印象に残っています。キャラクター同士がマジ喧嘩を始めるという。

さて、この第2話、とてつもなく熱いと感じたのが、自分の記憶を探しているイエローが、「私にはプレシャスより大事なものがあるから」とボウケンジャー離脱を決めかかったとき、そこにレッドが現れる! 「俺たちはみんな、本当は、ただプレシャスを求めているわけじゃない、それぞれ自分の一番大切なものを探しているんだ! お前は俺たちの仲間だ!」というような(うろ覚えですが)セリフを吐いてイエローを引き戻してしまう。レッドの言い草には論理的に問題もありそうですが、理屈を越えた「熱さ」で強く訴えてくる、こういうのはかなり好き。論理をぶっ壊す熱さ、というのが趣味なんですね。

そして、イエローが離脱を思いとどまったとき、敵組織が5人に一斉攻撃を開始。その瞬間、5人が一斉に「変身」する! うわー、めちゃくちゃ熱い、めちゃくちゃ面白い。その後のレッドとボスとの一騎打ちも熱すぎますよ。いきなり二刀流で斬られてボスが崖から転落するし。

第1話をみただけでは何ともいえなかったけど、今年の戦隊は私の趣味にはまりそう。期待してます。